社会的養護施設第三者評価結果
基本情報
1.事業所名 愛隣園
2.経営主体 社会福祉法人 基督教児童福祉会愛隣園
3.所在地 沖縄県島尻郡与那原町字与那原2943番地
4.定員 46名
5.調査機関による総評
【特に評価の高い点】
①生活場面での支援方法を学ぶ研修で職員の人材育成を図っている。
新任職員研修で関係法令、社会的養育の流れ、子どもの特徴などを説明している。
また、現場職員と一緒に勤務体験を行いながら子どもとの具体的なかかわり方を学び、困ったことがあれば職員に相談することを伝えている。
精神科医からスーパーバイズが得られるケース検討会を重ねて支援の方法やCAPおきなわによる研修で職員が意識してよりよい言葉かけができるように学習会を行っている。研修を通して子どもの権利を擁護し、職員のモチベーションが持続できるように取り組んでいる。
②コロナ禍で子どもの生活が充実できるように取り組んでいる。
コロナ禍にあって子どもは、外出禁止や家族との面会、外泊禁止など我慢する生活を強いられている。そのような中で調理実習、おやつ作り、DVD鑑賞、養護課職員を中心に体育館を解放するなどの子どもが楽しめる工夫を行っている。例年のキャンプも外出禁止の最中、小学生の提案で園内キャンプを実施して子どもと職員が協力しながら楽しく過ごす取り組みが行われている。また、学びを深めるために学習支援ボランティアの協力や学習塾に通うなど学習環境が整えられている。さらに、高校生の学校での部活動やアルバイトなど子どもが選択できる範囲が広い。
③地域と共生する施設づくりに取り組んでいる。
当園は、1953年の開園から地域の方々、教会や卒業した方々とのつながりを大切にしている。愛隣園バザーは地域の方々とボランティアとの関わりが持てる機会になっているが昨年度はコロナ感染症予防のため中止になっている。地域の方からマスクや遊具の寄贈、寄付などがある。
体育館や園庭などを地域の行事やスポーツ活動に開放し、地域の活動に協力している。地域の民生委員や小中学校教師の初任者研修等を受け入れて児童養護施設の理解を図っている。また、地域への支援について、地域の無料塾や子ども食堂など地域福祉の向上に関わっている事業所や団体等と一緒になって地域ネットワークづくりに取り組んでいる。
④自立支援訓練室を活用して自立に向けた取り組みを行っている。
卒園後に自立生活が送れるように炊事・洗濯などの基本的なスキルの習得や自らで起床し就寝するタイミングを体験することができる自立支援訓練室を備えている。現在、措置延長の利用者に対して自立に向けた訓練が行われている。
【改善を求められる点】
①職員一人ひとりとの定期的な個別面談が望まれる。
ホーム会議や養護課会議、職員会議で職員の意見を聴取しているが、定期的な個別面談は行われていない。個別面談を行うことにより職員一人ひとりの悩みや不安を受け止めて意見や希望が把握でき、子どもと向き合う目標項目等の設定を行うことができる。惻隠と設定した目標について中間面談で進捗状況を確認し、年度当初・年度末(期末)面談で目標達成度の確認を行う個別面談が望まれる。
②各ホーム間の日々の情報を共有する仕組みづくりが望まれる。
各ホーム職員が子どもと関わりホーム会議で子どもの情報共有を図っているが、他ホーム内での状況が把握しづらい。他ホームの日々の出来事や児童の生活面、特に子供の要望や気持ちの変化などを共有化して子どもへの理解を深めるための話し合いの場づくりが望まれる。
6.第三者評価結果に対する施設のコメント
今回の第三者評価受審においては、当施設が長年地域の皆様に支えられながら子ども達への支援、施設の運営をさせていただいていることを再認識する機会でもありました。今後は、多機能化として地域と協働し、地域の皆様のために具体的に取り組むべきことを進めていきたいと思います。
また、コロナ禍にあって、子どもたちも職員も県内外問わす多くの方からご支援や励ましのお言葉を受けながら、子どもたちが主体となって生活や行事の工夫ができたことも再確認する機会となりました。子どもたちの生きる力を育む機会として前向きに考えることができ、子どもたち主体の生活を実現させるためにはどのような支援の在り方や理解が必要なのか、常に継続して考えていきたいと思います。
小規模・地域分散化を推進する中にあって、職員間の連携や全職員が全体の動向及び子どもたちの状況を把握する取り組みとして実施している毎日の朝会、毎月定例の会議、システム化した日誌の閲覧、ケース検討会などでも取り組みとしては不十分とのご指摘を受けたことに対し、全職員が子どもたちや他ホームの状況を把握して理解できるような引継ぎ方法や話合いの持ち方などを検討していきたいと思います。
また、職員の人材育成、メンタルヘルスという側面からも、施設長が職員全員と面接を行い、取り組みを充実させる必要があるとのご指摘に対しては、具体的に各職員の目標の確認、達成度など職員をエンパワメント出来る内容の取組を行いたいと思います。
自己評価をまとめていく過程で、職員間で多くの気づきを得られたことや、職員同士の考え方の相違も含め、様々な視点から子どもたちの支援を充実させるためにはどうあるべきか、ということを全体で考えることができ、大きな収穫の機会となったことに感謝申し上げます。
7.第三者評価の受審状況
《2021年度》
(第三者評価機関名)一般財団法人 沖縄県社会福祉士会
《2017年度》
第三者評価結果 2017
(第三者評価機関名) 一般財団法人 沖縄県社会福祉士会
《2014年度》
第三者評価結果2014
(第三者評価機関名) 福祉総合評価機構沖縄県事務所
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